7つの習慣 セルフ・スタディ

基礎編 インサイド・アウトのパラダイム
パラダイム転換

結果を変えるには、行動を変えなければなりません。そして、結果を大きく変えようと思うなら、パラダイムを変えなければなりません。

パラダイムを変えることを「パラダイム転換」といいます。これは私たちの行動に大きな影響を与えます。今となっては常識なことも、過去の人たちから見れば「非常識」であり、そのパラダイムを転換するのには多大なるエネルギーを要しました。

例えば、瀉血の話をご存知ですか? 中世のヨーロッパでは病気の原因が血、そのものにあると考えられていました。そこでどのように病気を治療(しようと)したかというと、血をできるだけ抜いて、血の交換を図ったのです。

これは、ハンガリーの産科医ゼンメルヴァイスやフランスのパスツールら科学者が、微生物が病気の主たる原因だと発見したことですべてが変わりました。今では我々が当然のように抗生物質等でウイルスを殺菌しようとしますが、実はその前に「病気のときは血を取り替える」というパラダイムがあったのです。

あなたのパラダイム転換について考えてみましょう。

  • これまでに体験したあなたのパラダイム転換を教えてください。
    (例)定時の17時になったらいつも仕事を切り上げて家に帰ってしまう、他の部署の山田さんはずっと仕事熱心ではない人だというパラダイムを持っていた。ところが、実はお子様の病気の看病のために毎晩早く帰り、朝4時に起きて自宅で仕事をされているということがわかったとき、私の中で最も尊敬する人になった。

パラダイムを転換することの苦労について、最も有名な話はコロンブスの卵の話ではないでしょうか。彼がトライしたときにはすでに、アフリカの喜望峰に達していたため、西回りに行けばインドに到達できたのです。そのため東回りの航路はあまり求めらてなく、各国にスポンサー打診をしても断られてしまう有様でした。

しかし彼はトライしました。彼のエピソードを紹介しましょう。

大陸発見を果たして帰国したコロンブスは、主賓として宮廷晩餐会に招待された。彼がテーブルの最上段に座っていると、成功に嫉妬した意地悪な出席者が失礼な態度で皮肉をいった。「誰でも西へ行けば陸地へぶつかる。スペインには大陸を発見できる人間がたくさんいるのだろう」

コロンブスは答えず、その代わりに卵を手に取り、来席の人々に向かって、「この卵を立てることができる人はいますか」と質問した。皆がこぞって挑戦したが、ことごとく失敗した。コロンブスは卵の端を叩いて殻をへこませ、テーブルの上に立ててみせた。

「何だ、そんなやり方でいいなら簡単じゃないか」と周りから文句が出たとき、彼はこう切り返した。「もちろん、やり方を知っていれば簡単です」

そして、続けて述べた。「私は新大陸への航路を切り拓いた。あなた方は私の示した通りに進めば望む新大陸へと着けるでしょう。これ以上簡単なことはありません」

いかがでしょうか。凝り固まった考え方の転換にアプローチしなければ、偉大な成果を成し遂げることはできません。あなたが現在、何か変えたいことがあれば、パラダイムについて考えてみましょう。

  • もし今何か大きく変えたいと思っていることがあるのであれば、パラダム転換を行う必要があるかもしれません。何か大きく変えたいと思っていることはありますか?
    (例)今の会社の上司、経営陣との関係がここ数年ずっとうまくいっていない。この関係を変えてみたい。
  • そこにあるあなたのパラダイムはどのようなパラダイムですか?
    (例)気難しい性格、あまり他人と打ち解けようとしないタイプ、もともと私のことが嫌いなのかもしれない。
  • そのパラダイムを一旦横に置いておいて、その逆のパラダイムを持ってその問題に接してみるとどうなるでしょうか? どのようなパラダイムを持てばいいですか?
    (例)フレンドリーで明るい性格、私のことも気に入ってくれていて期待してくれている。私に対して提案を期待している。
  • では、そのパラダイムで行動するとすれば、何ができますか?アプローチを考えてみましょう。
    (例)新しい提案があると言ってアポイントをとる。そしてこれからいろいろ提案し、あなたに協力したいと伝える。
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