向井正弘結果を出すためにはインプットを変える。
そのためのフランクリン・プランナー。

向井正弘

インターテックジャパン株式会社
代表取締役社長

向井社長はいつフランクリン・プランナーと出会われたのでしょうか?

1989年か1990年前後だったと思いますが、わたしが「カーギル」という、当時「5大穀物メジャー」と呼ばれていた会社のひとつに在籍していたとき、カーギル社の人材教育の一環として業務の効率化を図るために、フランクリンの時間管理セミナーが管理職から導入され、使い始めたのがきっかけです。
当時はまだノートパソコンが普及していなかったために、どこに行くにも携帯するように指導されました。
当時は、ワークライフバランスという概念もほとんどなかったので、業務の効率化のために使っていました。
使い始めたころは英語版しかなく、アメリカから購入していたのですが、日本でも買えると聞き、当時飯田橋にあったフランクリンショップに買いに行ったのを覚えています。
日本語版はコンパクトサイズだけしかなく、「クラシックサイズはありませんか?」と聞いたことを今でも覚えています。

そのころからずっとお使いいただいているのですか。

一時期、フランクリン・プランナーから離れ、ノートにタスクリストを書き出し、それをつぶしていくという仕事のスタイルだったこともありました。しかし、管理職になると、ルーティンワークだけではなく、今後のビジネスをどうするのかを考えなければなりません。そうなると、やはりフランクリン・プランナーが適していると感じ、再びフランクリン・プランナーに戻りました。ただし、そのとき、新たな機能として「一週間コンパス」が追加されていましたので、最初は使い方に正直とまどいました。ワークライフバランスという観点から重要性は理解できたのですが、1~2週間は書けてもなかなか続きませんでした。ですから、今はこの「一週間コンパス」をしっかりしっかり書けるように、社員にも指導しているところです。

フランクリン・プランナーを活用するときのポイントを教えてください。

何と言っても、ものごとを「重要性」と「緊急性」で考えることができるようになるのが非常に大きなポイントです。緊急ではないが重要な活動である「第Ⅱ領域」の活動をしないと緊急で重要な「第Ⅰ領域」のことが増えていくわけです。「第Ⅰ領域」は対応せざるを得ないので、どんどんたまっていき、そのうち「第Ⅰ領域」にもかかわらず、抜け落ちてしまうことが起きてしまいます。
今では、「第Ⅱ領域の活動をする」と言えば、全社員が理解できますので、コミュニケーションも楽です。
また、この概念を理解せず、時間管理をしようとすると、少し空いた時間に、「第Ⅲ領域」「第Ⅳ領域」のことをやってしまうわけです。つまり、もともとやるべきではないことをやるべきではない人がやってしまったりしていることもあります。

御社の社員にとって「重要性」の基準とはどこにあるのでしょうか。

当社では、MBO(Management by Objectives)として、毎年目標設定を行っています。
重要度というのは、この目標を達成するためにどうするのかということです。
弊社は1月が年度始まりですので、12月上旬に次年度のストラテジーをかたちにして、毎年原則として1月の第一金曜日に、キックオフミーティング(各事業部からの戦略発表)を実施します。そして、各事業部に持ちかえり、年度目標を達成するために、何をするのかを計画します。

そして目標に対してストラテジーの進捗具合を振り返るために、毎月ミーティングを行います。立てた計画に対してどこまで達成したのか、ビハインドはあるのかを振り返り、そのギャップを埋めるために次月にどうするかをマンスリーで振り返ります。

加えて四半期に一度、「設定したストラテジーが正しかったのか、目標とのギャップをどう埋めるのか」をオフサイトミーティングとして、主要なメンバーと会社以外の場所でミーティングを実施します。会社内でミーティングをしても良いのですが、どうしても日常の仕事モードから抜け出すことができないと感じたため、集中できる非日常の環境を作ることも心がけています。
振り返りや効果検証を行う場をつくることはとても重要で、計画を立ててもすぐに日常の忙しさに紛れてしまい、忘れてしまいます。
オフサイトミーティングでは、まず目標に達していない場合は、「目標達成のためには何が足りないのか、その足りないものは埋めることができるのか、できないのか」を考えます。埋めることができないのであれば、「どこまで行くことができるのか、足りない部分は何でカバーするのか」。この点を考えるわけです。
また、我々がフォーカスしているセグメントが本当に正しいのかについても振り返り、場合によっては戦略そのものを見直すこともあります。

「アウトプットのために何をするのか」、を徹底して考えられるわけですね。

いつも言うのは、インプットを変えないとアウトプットは変わらないということです。
アインシュタインが言ったとされている、「同じことを繰り返し、違う結果を望むこと、それを狂気という」とあるように、結果を変えるには、インプットを変えるしかありません。
多くの場合、違う成果を求めているにもかかわらず、同じやり方をやってしまっています。当事者にとってはわかりにくいのかもしれませんが、結果が出ないなら、やり方を変えなければならないのです。

その点について、フランクリン・プランナーは役に立ちそうですか?

そうなんです。そこに使ってほしいわけです。しかし、「やりたいけど時間がない」と言う人が多いのです。「やればいいのはわかっているのに、時間がない」と言います。
そういう時は、「初めて行く場所に行くにはどうする?」と聞きます。
まず、行き方を調べるはずです。初めて行くのですから、行き方が分からないわけです。
仕事も同じで、新しい目標を目指すわけですから、達成するための新しい「行き方」を考えなければならないはずです。これまでと同じことをやるということは、知らない場所に行くのに、「とりあえず行く」「とりあえず電車に乗る」ということになります。いつかは着く かもしれませんが、本当にそれが効率いいはずはありません。
計画する5分、10分をつかって、多くの時間を節約することができるわけです。
そこにプランナーをつかってほしいんです。

向井社長の計画を立てるリズムは決まっているのでしょうか。

私は1週間に4回ジムに行き、月曜日と土曜日にはテニスに行くというルーティンのスケジュールがありますし、土日もけっこう忙しくしていますから、土日も計画をしっかり立てるようにしています。
毎週日曜日に時間をとってベランダの椅子に腰かけ 、「今週どうするか」大まかに1週間の計画を立てます。月曜日の朝には電車のなかで、細かい計画を立てます。このときはさすがに「第Ⅰ領域」の活動が中心にはなってしまいますが。
ただし、何も計画を立てないままに行動すると、頭では「あれもやらなければ」「これもやらなければ」とわかっていても、「何時間もテレビを見てしまった」などということが、日常茶飯事です。ふと考えると、「何をやっていたんだろう」と思いますね。
映画にしても、「観るなら観る」と決めて観ればいいのですが、なんとなく観てしまうのはよくありません。
弊社のグループの社長も、「土日に自分自身を振り返る時間を持たないとクリエイティブな発想などできない」と言っていますが、本当にそうだと思います。

社員の方々には、「一週間コンパス」を使って、ライフバランスも充実してほしいですね。

フランクリン・プランナーは、土日も使ってほしいと思います。自分の土日も考えられるし、翌週のことも計画できるわけです。
そして、ワークライフバランスも大事です。ライフバランスとは、仕事、家庭、そして自分自身のバランスです。人生終わった時に、この3つの円の大きさが均等になっているのがいい人生だと思うのです。
私も今の年齢になってみると、「もう少し家族との時間を持っておけばよかった」と思うこともあります。今のスタッフにはぜひそこはフランクリン・プランナーで計画を立 て、ライフバランスをとっていただきたいと思います。

プライオリティ・セミナーを社内研修として導入いただいている目的は何ですか?

「フランクリン・プランナー」というツールを渡すだけでは、押し付けになりがちで、継続が難しくなることもありますので、社員がセミナーを受講することでトレーニングをしっかり行うことが重要です。また、単に「時間管理」だけではなく、プライオリティが重視している「重要度」や「緊急度」を考えることや「ワークライフバランス」も社員に実践してもらいたいと思ったからです。
元々私が過去カーギル社でセミナーを受講した経験があることも大きなポイントかもしれません。
それでも難しい面はありますが、日本の教育者の森信三氏が言ったように、「教育とは流れる水の上に文字を書くような儚いものだ。だが、それを岩壁に刻み込むような真剣さで取り組まなくてはいけない」ものです。肝に銘じています。

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