【自分が何をやりたいのかがはっきりすると、本当に楽しくなります。
これからも「影響の輪」の中でやっていきたい。】金杉優佳様

フランクリン・プランナーとは、どのように出合われたのですか。

昨年末、渡邉先生が主催された時間管理の勉強会に行って、はじめてフランクリン・プランナーを手に取りました。勉強会のあと、フランクリン・プランナーを買うということはもう決めていたのですが、購入したのは年末ではなく、1月に入ってからでした。
その後、到着してからすぐにセッティングをしたのですが、最初は予定を記入することしかできませんでした。予定は綺麗に書いてあるわけです。でもスケジュールページしか書いていなくて、これでは読みにくいし、「これでいいのかな」と疑問に思っていました。
そこで、もう一度「7つの習慣」を一から読み直してみようと勉強会にも参加し始めました。多くの気づきや沸き立つものがあったものの、それでも、なかなか自分に置き換えることができず、やっぱりモヤーっとしていました。
その後、ご近所付き合いもあり、仕事のお客さんでもある中山さんが、目の前であの大きなフランクリン・プランナーを「私、これが大好きなの」と言いながらめくっているのを見て、彼女の手帳術のワークショップに参加しました。それから、自分に落とし込む作業を、2月、3月くらいから徐々にやり始めました。

少しずつご自身と向き合われていったわけですね。

それでもまだ、完全にフランクリン・プランナーを実践していくまでには至っておらず、いろいろな方がおっしゃっていることが、まだつながっていませんでした。そして、中山さんからのアドバイスをいただきながら、「価値観の明確化」をもう一回きちんと自分でやってみようと思い、マスター・フォーム・パックを使って、4月に初めて取り組み始めました。
今でも鮮明に覚えています。4月19日、12時から6時まで空いている時間がありました。「ここでやろう!」と思って、度胸を決めて用意して、ファミレスに入り、ひたすら書きました。

その重厚な時間を過ごされたあと、どのような変化がありましたか。

私は今の化粧品会社に携わって、今年で丸13年になります。ずっと商品が大好きで、これまでやってきました。ところが、これは本当に衝撃的だったのですが、「人生の中での一番のやり甲斐は何ですか?」という質問に対して、それが出てこなかったのです。
私の実家は和菓子屋なのですが、結婚前、前に勤めていた会社が倒産して、2年半自分の家でパートをしていました。そのときに、お茶と生クリーム大福を相当売りました。先の質問で私が書いていたのは、「和菓子の売り上げに貢献し、両親たちが喜んでくれた」ということでした。なんで化粧品のことじゃないんだろう。今の仕事にやり甲斐を感じていないのかなと、すごく引っかかりました。
「これは何かある」と考えていたのですが、その後ある人から、「生クリーム大福なのか両親なのか、本当はどっちなんだろうね」と言われました。そのときハッとしました。私は両親に認められたいのだ、それも母親に認められたいのだ、ということに気がついたのです。
今までいろいろな経緯があって、その前の段階でカウンセリングを受ける機会がありました。「妹のために、私はピエロにならなければいけない」そう思い込んでいた自分がいました。「失敗をあえてして、こういう失敗をしたらいけないよと妹に指し示すのが、正しい姉の役割だ」とずっと思い込んでいました。そうではないということはもう何年も前に気がついて、その部分はかなり変わっていたのですが、今でも自分の持つ本当の価値観を持っていないことに気づかされました。そこからがものすごい2ヶ月でした。そこをもっときちんと掘り下げて、もっと明確にしないといけない。自分の価値観とは何なのだろうと、ひたすら考えていました。

劇的な価値観を見出すプロセスを経られたのですね。

マスター・フォーム・パックの中だけでは、思いが収まり切りませんでした。中山さんのお知り合いで、フランクリン・プランナーをこよなく愛する松本さんという方に、偶然八重洲のお店で出会ったことがあり、それであれこれ教えていただき、話を聞いてもらうことになりました。それで、話したことを書きとめましょうということになり、わーっと書いていきました。そこで「価値観ってこういう風に出てくるのではないですか」と言われて、そうだなと思いました。
その経験によって、ようやく自分の価値観が整ってきました。
そして、以前にマスター・フォーム・パックに書いた価値観を見て、すごく違和感を感じてしまったんです。以前書いていたものとそこで書いたものと、全然違いました。最初に自分で書いた価値観は、自分のことしか書いていなかったのです。話した後に書いた価値観は、最終的に人のためというところ、本来自分がこうなりたいと思っている自分でした。最初のものは、嫌な自分というか、格好付けているというか、認められたいというのがありありと見える感じでした。そこから嫌な私が見えるんです。でも、その時に書いたものには、自分自身はこうしたいんだと、素直に思っていることが出てきました。すべて書き直しました。今は2回目の書き直しをしたところです。

最初にプランナーを見られたときと同じように、価値観を考えるということがそんなにも自分の中に落ちるものなのだというのは、なかなかわからないと思います。金杉さんでしたら、手帳にスケジュールしか書いていない人に対して、どのようにアドバイスしますか。

話がずれてしまうかもしれませんが、先日、美肌レッスンをやったときに、私より少しお姉さんの方々に、「人生って何が必要ですか? 生きていくって何が必要ですか?」と話しかけていたんです。皆さんポカンとしていました(笑)。
けっきょく私が導きたかったことは、生きていくには、食べるということが絶対的に必要だということです。食べることがあって、そこではじめて生活ができる。これはお肌についても同じことです。お肌のことを語る上で、その人のライフスタイルだとか、その人の生き方とか、そこがないとお肌を綺麗にできないのではないか。そう考えたのです。
ですので、その人が予定表しかないのだとしたら、「本当に何がしたいの?」と、今だったらそう聞くと思います。「1ヶ月後、2ヶ月後、1年後、今のままの自分がいい? それとも何か変えていたい? そのときに私は何か必要?できることがある?」と。

予定だけを書いていくと、そこに振り回されてしまって、「本当にしたいこと」にはいかず、いわゆるタスクリストだけになってしまいます。しかも、それは自分で考えたタスクではなく、やれと言われたタスクです。お客さんから言われていること、家族から言われていることをやらないといけないと。

たまたま昨日、レッスンに出たお客さんに、エステの後に車で家まで送る10分くらいの時間にその話をしたんです。そうしたら、「本当に楽しそうだね」と言われました。
私は、「今、本当に楽しいですよ。でも、それって、何をやるか自分の中でだんだんわかってきたから。これをやりたいということがわかってきたからなんだよね」という話をしました。「あなたは楽しくないの?」と聞くと、「お金をもらうためにやっている仕事だよ。金杉さんはいいよね、自分の好きなことを仕事にできて」と言われました。そこで、今まであまりそういうことを聞けなかったのですが、「じゃあ、何やりたいの?」とすっと聞けました。
そしたら、彼女はアクセサリーに興味があって、アクセサリーを海外から輸入したり、本当はそういうことがしたかったのです。でも資金のこともあるし、そんなことはやれないと。ところが、彼女が「でもね、実は今会社で、こういうことをやりたいという企画を出せと言われている」と言ったのです。「何それ、やったらいいじゃん!」と、思わず私の頭の中に「目標設定用紙」が出てきていました(笑)。これに合わせてやったらいいじゃないかと。「彼女しかできないこと、そこに価値付けができる企画にはどんなものがあるだろう」そんな風に、逆に私の中で膨らんでしまいました。カラーコーディネートをできるようにするとか、そこでお客さんにあったものを選んだり、選ぶことは誰かに任せたとしても、それを輸入してくるのはあなただったり。そんなことを言いたかったのですが、家に着いてしまいました(笑)。こういうところで目標設定用紙が大事なのだ、と思いましたね。

それ以来、予定の書き方、計画の立て方は変わりましたか。

考える余裕ができた、と言ったらいいのでしょうか。相手のこと、お客さんのことを考える余裕ができてきました。今までずっと販売員としてやってきて、「あなたのことを思って」と口では言っているものの、やっていることは全くちぐはぐでした。そして、お客様からそれを見透かされているという気持ちがすごくありました。それが今は、お客様が買っていただいたものをちゃんと使えているかを追っていく。肌に変化があったという当たり前の話なのですが、そこまでをちゃんと見てあげたい。そんな気持ちになり、「そうだ、あの人に確認しよう」といった行動が生まれてきました。それをここに書くようにしています。
今までは、それが最優先事項なのに一番後ろになっていました。どんどん先送り事項になってしまうのです。それで次に会う機会になってしまって、「ああ、そうだった」と思い出していたのです。けっきょく、信頼口座に貯金もなければマイナス要因の宝庫になってしまう。今まではそういったタスクはまったく書いていなかったのですが、それが書けるようになってきました。書いて、考えて、忘れないうちにやる。もしくはここに書いておく。それをやるようになりました。
そうしたら、中山さんに「ちょっと変わったね」と言われました。私は彼女からも気づきをもらっています。そういう人に恵まれたこと、それを本当に大事にしなきゃいけないと思っています。「7つの習慣」と出会ってからは、そういう視点で人を見るようになりました。

ご家族からも何かありましたか。

何日か前に、主人が私に対して、「落ち着いてきた」「イライラしなくなってきた」と言ってくれました。そして、昨日はついに「前向きだ」と言ってくれました。そんな言葉が夫から出てくるとは思いませんでしたから、本当にすごいと思いました。感動しました。
また、義理の母と同居しているのですが、今は「宝地図」を家に置いて、それを母もじっくり眺めています。今はまだ「私の夢はこうだけど、そこにあなたたちもいるんだよ」と思っているだけで、まだ途中ですが、「旅行に連れて行きたい」といったことが具体的に入ってくると、また変わってくるんじゃないかなと淡い期待をしています。それこそ、私が「影響の輪」の中心になってやっていければいいなと。

多くの人が、なかなか一歩が踏み出せないのは、金杉さんのように、どこかに勉強にいこうとか、アドバイスをもらおうとか、謙虚になって学ぶということが、大人になるとだんだんできなくなってしまうからだと思います。

ワークショップなどに、そんなに多く参加しているわけではないのですが、人が変わっていくことにものすごく影響を受けます。「じゃあ、私も試しに」と思うところがあります。好奇心は旺盛なほうで、行動もすぐ起こすほうです。ただ、それが続かないというのが、私の今までの人生の課題でした。それに向き合いたい。最初に受けたカウンセリングにしても、その思いがずっとあるのだと思います。それこそ、母親に言われた「あなたは一生懸命なのに、だけど結果が微妙」という言葉を、たぶんずっと背負っているのでしょう。そこをどうにか払しょくして、しっかりとした自分のスタンスで母親に見せたいと思っています。

価値観を書くと自分というものがはっきりしてきます。今までは貢献しようということばかりがありすぎてしまって。自分の基盤ができると楽しくなるし、向き合い方も変わってくるのでしょうね。

最近は音楽を聴いていても、その歌詞が、「うわ、主体的じゃない!」とか、そういう風に聴いてしまいます(笑)。昔、感傷に浸って歌っていた歌も、今の自分だったら歌わないでしょうし、「いや、違うだろう」と突っ込んでしまいます(笑)。捉え方が大きく変わっているのだと思います。
プランナーが共通言語となる人が、仕事の仲間として欲しいですね。それは宝地図にも書きました。

毎日時間を決めて書いているのですか。

最近は、朝起きて最初に手帳を開けます。ただ、意外に「一週間コンパス」がまだしっくりいっていません。「一週間コンパス」を微妙にスルーしてしまっている自分がいます。思い出して見る感じになっていて、行動との連携が上手く取れていません。

逆に、そこは今まですごく意識されてきたので、今は自分のほうに戻られているところなのではないでしょうか。

やり続けていきたいですね。

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