【営業マン全員が組織でフル活用】栃木ホンダ販売株式会社 統括本部 部長  篠原貴則様

東京オートグループの一員として増収増益を続け、全国にあるホンダの販売会社の中でもトップクラスの成績を実現。フランクリン・プランナーをすべての営業スタッフが活用し、向上心を忘れることなく目標実現のためのプロセスを計画・実行する。

栃木県内に7つの店舗を持ち、中古車や輸入車などの販売会社を有する東京オートグループの一員として快進撃を続ける栃木ホンダ販売株式会社様。 全国にあるホンダの販売会社の中でもトップクラスの成績を納め、さまざまな環境の変化の中でも増収増益を続けていらっしゃいます。

自動車販売という仕事は、お客様との初回の面談から契約にいたるプロセスに加え、お客様の愛車の状態や各種手続きなどを含めると実に多岐に渡っています。そうしたさまざまな仕事を抱える各ショールームの営業スタッフは、全員フランクリン・プランナーを活用されています。プランナーで自分自身のビジョンを描き、実現のためのプロセスを見事に計画・実行し、向上心を忘れることなく次のステップへと挑戦し続けていらっしゃる様子を統括本部部長の篠原貴則様、県央ブロックリーダー・宮の内店店長の久保宗様、細谷店 販売課係長の阿久津亮治様にお話を伺いました。

どのような経緯でフランクリン・プランナーを全社的に導入されたのですか。


栃木ホンダ販売株式会社
統括本部 部長
篠原 貴則様

私が店長をやっているときに個人的にフランクリン・プランナーを使い始めたのが原点になります。私が熱心に手帳に書き込んでいる姿を見た部下の営業マンたちが私を真似て使い始めたところ、彼らが全国表彰を受け、当時の部下だった営業マンたちが、やがて7店舗あるうちの4店舗の店長になったのです。そんなに多くの店長を輩出した上に、どの店も売上成績が良いのは何か秘密があるに違いないと噂になりました。売り上げを伸ばす取り組みのひとつとして、スタッフ全員がプランナーを使っていたことを他店の店長に紹介しました。

また、大学を卒業したばかりで、車の「く」の字もわからない新人たちがプランナーでスケジュール管理し始めたら車が売れたことが、プランナーを使っていない先輩営業マンたちにかなりインパクトがあったようでした。プランナーを使ったから売れたというわけでは決してありませんが、プランナーを使っている営業マンがよく売るのは事実でしたから。そうなると、みんながこぞってプランナーを使い始めて、ほとんどの社員が使うようになりました。栃木ホンダの7店舗には社員が130名くらいいますが、今では営業だけではなく、管理職も全員使っていますし、私の上司である社長も使っています。しかも、会社でプランナーを強制したわけではなく口コミで広がったので、会社支給ではなく全員が個人で購入して使っているというのも私たちの特徴かもしれません。

営業としてのツールとフランクリン・プランナーはどのように組み合わせるのですか。

弊社の場合、使うツールが二つあります。マネジメント・レポートというツールにフランクリン・プランナーをプラスするという形が基本です。マネジメント・レポートというのは、営業分析や日々の行動が分析されているもので、それをもとに、ほぼ毎日、上司と営業マンは不足している数値やKPIなどについて話し合っています。そして、計画のブレイクダウンを集中的に行い、行動の目的を明確化します。
せっかくお客さんを訪問しても、挨拶程度の定型訪問で終わっているようでは生産性は上がりません。担当する顧客一人ひとりについて提案の内容や方法を割り振って、それを自分のレポートと合わせて見ると、自分がやらなければならないことが明確になってきます。そこで明確になったやるべきことをフランクリン・プランナーで計画して管理しています。
また、自動車は購入したら点検や車検などの期日は決まっていますから、スケジュールが組み立てやすいと言えます。やろうと思えば、顧客ごとに3年後まで予定をデイリースケジュールに落とし込むことができます。顧客ごとに提案を考えたり、数年後のメンテナンスもケアしたりすることは営業マンにとって当然の行為なのですが、実際にできている人はほとんどいません。当たり前のことをやり、それを継続する、この二つは意外と難しいようです。当たり前のことを継続させる方法として、フランクリン・プランナーのようなツールはとても役に立ちます。

営業の皆さんの活用度合いと成績はどのような関係がありますか。

不思議なことに、営業マンの精神状態や仕事の好調・不調は、プランナーを見ればすぐにわかります。元気がないときは自然と書き込みが少なくなって、1日2ページタイプのページが埋まっていません。ページが白ければ白いほど、元気がありませんし、営業の数字も悪いときです。本来は、数字が悪いときこそ、きちんと計画をして実行しなければならないため、プランナーに文字がたくさん並んで真っ黒になっているはずなのですが、不振になると書けなくなるようです。そんなときには、プランナーに何でもいいから予定を埋めさせて、行動を起こすように促します。

皆さんが使われているプランナーのどのような点を確認されるのですか。

日々のページのどの項目がどれくらい埋まっているかを確認します。特にチェックするのは「時間管理のマトリックス」の第Ⅱ領域の活動(緊急ではないが重要な活動)量です。第Ⅱ領域の活動が数多く入っていれば管理者として安心ですが、ほとんどの場合は緊急度の高いタスクばかりです。特に1年目はそういう状態の者ばかりで、プランナーは計画するツールというよりは備忘録になってしまっています。しかもタスクの先送りが多いという状態に陥ります。そうした状態から、未来を見据えた計画をして、先の仕事を入れていけるようになると営業成績がぐっと伸びます。第Ⅱ領域の活動が多い人は、明らかに成績が良いです。

第Ⅰ領域(緊急かつ重要な活動)ばかりの営業マンは、常に何かに追われて忙しく、朝早く出社して夜遅く帰ります。それで生産性が上がっていればいいのですが、そうではないパターンが多いようです。トップセールスになればなるほど忙しいと思いきや、実は他のメンバーより早く仕事が終えてさっさと帰ります。研修や本などで時間管理や生産性の知識を得たら、すぐに実践して効率アップに結びつけることができるので、時間の余裕があります。うちのトップは泥臭い営業をしませんし、残業も少なく、週2日しっかり休んで、働き方が非常にスマートですね。そうなったのは彼らがプランナーを使い始めてからだと思います。時間に余裕があるから、お客さんに丁寧な接客ができる、だから売上も上がる、といった風に全てが良い方向に変化しているように見えます。

理想的な活用法をされている方はいらっしゃいますか。

まだ入社2年目の女性なのですが、彼女は販売の成績だけではなく、車の保険といった付帯収益が非常に良く、大変優秀です。そんな彼女のプランナーはどのページも真っ黒になるほどぎっしりと書き込まれていて、私が見ても凄いとうなるほど上手に使っています。買った時にはピンク色だったカバーも、1年後には汚れてピンクではありませんでしたよ。周りの部下に「よく見てみろ。これがデキるやつの手帳だ。違いがわかるだろう」と彼女の手帳を見せると、見た人の10人中10人が「なるほど」と納得します。

フランクリン・プランナーの良さはどういうところだと思われますか。

プランナーは、意識の変革を促すのに非常に優れたツールです。そもそも意識がなければ行動は起きませんし、行動がなければ結果も生まれません。意識の部分に働きかけていくために色々なものが必要ですが、その中のツールとしてプランナーは有効だと思います。自分をきちんと客観的に捉えて、よりステップアップするにはどうしたらいいのかを常に考える手助けをしてくれます。ビジョンの形成から、ビジョンの達成に向けたプロセスを、ノベルティとしてもらった手帳でやってみなさい、と言っても無理だと思います。フランクリン・プランナーを思い切って自分で買って、使う前にじっくりと演習に取り組むと、この手帳の良いところが理解できるはずです。

もはや教育ツールとしての活用といってもいいかかもしれませんね。

人を育てるためには、コストがとてもかかります。しかし、自分で成長してくれれば、教育コストはかからないわけで、1万円の手帳の費用で済めば企業側からしてみても安いものです。しかも自分たちで買っていますからね。社員がみんなフランクリン・プランナーを使って自己成長してくれているおかげで、ここ3年間の教育費用はかなり削減できています。
ただし、大手企業や通常の企業さんの場合は、7つの習慣などの研修は必要だと思います。何も教えないでフランクリン・プランナーだけ渡しても、使わなくなるでしょう。また、経営者や指導する側がプランナーを使いこなせていなかったら、部下たちもいずれ使わなくなります。組織にプランナーを浸透させるには、リーダーシップをとる人がきちっと使いこなせていることが重要です。
当然のことですが、この手帳を使うと意識が高まるし、論理的思考がやりやすくなるので実績が悪くなることはないと思いますが、プランナーを使ったことによって実績を出すことも欠かせません。

多岐に渡るKPIのデジタルでの管理とアナログのプランナーでの計画という、デジタルとアナログの融合が見事にできていますね。

営業を個人個人で見ていくときは、アナログを使いなさい、と言っています。アナログを使わないと心がこもりませんし、書かないと忘れてしまうこともたくさんあります。例えば、来週の火曜日にAさんが来るという予定を、入力するより自分の手でスケジュール欄に書くとほうが記憶に残ります。おそらく弊社の営業マンは、ひとつの予定を月間カレンダー、タスク欄、スケジュール欄に書きますから、同じことを最低でも3回書きます。効率は悪いけれど3回書くことが重要です。書くことで覚えるという人間の能力は偉大です。
しかし、私が直接出向いて営業マン達のプランナーを見て回ることはできないので、デジタルで情報を共有することも大事になります。今はデジタルとアナログが融合できていますが、もっとうまく相互に活用したいと考えています。
特に、反省するときにはアナログが最高です。1ヶ月分のプランナーを入れ替えるときに、ページを見ながら当月の成績を振り返ると、仕事への気合の入り具合、頑張り度合いがわかります。その反省材料が翌月以降につながります。すべてデジタルでも、すべてアナログでもうまくいかないですから、デジタルとアナログをどのように融合するかが多くの人にとっての課題かもしれませんね。

今後、よりよい計画と実践、成果を生み出すためにどのようなことをお考えですか。

今回の震災のようなことがきっかけで、私たちが目指すところや常に意識する指標が変わるかもしれません。そのときにツールも進化していかなければならないと思います。ホンダのディーラーだけでも約1万1千人の営業マンがいますから、ホンダのディーラー専用のプランナーやフォームがあってもいいかもしれません。ツールがメーカーのシステムと連動したものがあったら使いやすいでしょうね。企業によって欲しい指標は異なりますが、売上管理や、お客様に対するアプローチを簡単に管理できればいいですね。


一番気をつけながら活用されているのはどういうところですか。


Honda Cars 栃木東
県央ブロックリーダー 宮の内店 店長
久保 宗

『7つの習慣』に書いてあることですが、緊急かつ重要なことよりも、本当に大切なことは、緊急性はないけれど重要性が高いものにある、ということを忘れないようにしています。
第Ⅱ領域の活動を1日に1つは予定に入れようと努力していますが、やってみると、実行に移すのは難しいものです。でも、それができない限りは、フランクリン・プランナーを使いきれていないと思います。重要事項はまさに今の私のメインテーマです。
私にとっての今の第Ⅱ領域の活動は、スタッフの教育です。今日はスタッフと一緒に行動しなければ、と思っても、それは上司からの指示でもありませんし、決められたことではないので先送りしがちです。

記入するタスクを色分けされていますね。

私の場合は、タスクの状態によって色分けしています。緑は誰かに委任していること、といった感じです。本当は全員で色分けの仕方も統一できたらいいのかもしれませんが、スタッフのレベルにもばらつきがありますから、それはもう少し先の話になりそうです。
車の場合は、常に意識していなければならない指標が多く、売上のほかにも、付属で販売する保証や保険やコーティングなど多岐に渡ります。ですから、保険の切り替え時期が近いお客さんの予定もフランクリン・プランナーに書いておきます。

フランクリン・プランナーの効果はいかがですか。

同じ業種の営業マンが私たちと同じ仕事を同じ精度でやったら、これほどの生産性は上がっていないと思います。阿久津をはじめ、フランクリン・プランナーを使っている本人たちもおそらく気付いていないと思いますが、使っていない人に比べると、仕事のこなし方はおそらく1.5倍か2倍くらいの差があるのではないでしょうか。


プランナーを使った計画の方法を教えてください。


Honda Cars 栃木東 細谷店 販売課 係長
阿久津 亮治

やらなければならないことに優先順位をつけて実行すること、朝に計画したことを夜に確認して先送り事項を実行日に計画すること、この二つができるようになってからは以前のようなミスが無くなりました。事前に計画を立てて行動するので、当日になって慌てることも少なくなりました。月末辺りに翌月の予定がわかったら、翌月のお店と自分の目標台数、保険の契約数などを決めて月間ページのマスタータスクに書き込みます。そして、その数字に対してどう行動するかを考えて1ヶ月の計画を立てるという流れです。毎日の振り返りでも月初の目標が書いてあるページを見て、目標台数にあとどれだけ足りないかを確認します。

独自で工夫されていることはありますか。

私はタスクを色分けてして重要なものを目立たせています。赤が最優先で、他にも青と緑も使っています。こうすると重要度の高さが一目でわかります。色分けは多くのスタッフがしていて、どのスタッフも同じメーカーの4色か5色のペンを使っています。
また、保険の満期が近いお客様や、年齢条件が変わるお客様の名前をメモ欄に書いて忘れないようにしています。特に今月は自動車税の切り替え時期ですから、下取りの際に納税証明書を忘れないように余白に書いていますし、月ごとにターゲットにしなければならないことは、月間ページのマスタータスクに書いています。

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