プロフェッショナル活用事例 上條富彦

上條富彦2000年より「7つの習慣」他数多くの研修プログラムを担当。研修実施回数はこの11年間で750回に及び、200社以上の企業に研修を提供している。受講者は2万3000人を超え、現在も記録更新中。雑誌などでの取材も多数。

「毎週役割を設定し、その役割において今週一番重要なことは何かを計画し、反省する。このプロセスを続けることで私は変わることができたのです」

私が生まれ変わった「一週間コンパス」

コヴィー手帳これは、現在のプランナーとは違いますが(「7つの習慣」研修の初期に使われていた1週間のプランニング・ツール。コヴィー手帳と呼ばれ、現在の一週間コンパスに相当する)、このツールによって私の人生が変わりました。

「7つの習慣」のセミナーを受けてこのツールの存在を知り購入しました。そして毎週役割を設定し、その役割において今週一番重要なことは何かを計画し、反省する、このプロセスを1年ほど続けたのですが、本当に私は変わりました。

当時、家庭と仕事のバランスがどうやったらとれるのか苦悩していました。本当に仕事一辺倒でした。さまざまな家庭の問題の中で、父親として夫としてどのようにかかわればいいのかが分からなかったのです。しかし、この手帳によって、少しずつ糸口がつかめてきました。

これまでは、頭ではなんとなく考えてはいたのですが、行動に落とすことができなかった。ところがこうして明文化していくと、「今週はこういうことをしてみよう」、「娘とこう接してみよう」など、行動に変化が生まれました。そして少しずつできるようになってきたのです。

そして徐々にではありますが、毎週の役割を考え、目標を設定し、反省することを続けることで生活にバランスがとれてきました。今でこそ「ワークライフバランス」と呼んでいますが、当時はそんな言葉もありませんでした。しかし、まさに、私の「ワークライフバランス」がとれてきたのです。バランスをとりたいと考えていても、考えるだけではやってきません。こうした結果は行動の先にあるものです。しかし、ほとんどの人はどうやっていいかわからない。どうすればいいか分からない。このプランナーはそれを教えてくれました。しかもそれが習慣になっていったのです。

1週間の役割を設定し、目標を設定することは、自分との約束をするということです。1週間の重要な行動について自分と約束し、そして反省する。日曜日の夜、時間として30分ぐらいでしょうか。本当に集中し、充実した時間を作るのです。それは、来週もここに向かっていくぞとモチベーションを駆り立ててくれた存在でした。

また、一週間コンパスは自分自身の役割についても問いかけてくれます。肉体、知性、社会・情緒、精神という4つの側面で、自分を磨く計画をたてることで、健康面や人間関係、精神的な充足という面も意識することになります。周囲に対する役割だけでなく自分自身をどのように高め、磨いていくかは本当に大切です。自分を磨かないと役割を果たすことなどできません。

この一週間コンパスのおかげで私の人生は変わりました。プランナーがなかったら、今の私はありません。今の仕事も選んでいないでしょう。本当に、プランナーで人生は変わります。

ハードルを上げず、できることからやっていく。そしてミッションを意識すること

「7つの習慣」のセミナー参加者の中で、「どうすれば実践できますか?」とよく質問されますが、まずはハードルを下げることです。最初から自分に高い目標を設定して、できないとすぐにやめてしまいがちです。できることから始めることで少しずつ自信となり、できることが徐々に大きくなっていきます。

そしてもうひとつ大切なことは、ミッション(人生の目的や最終的な目標を明文化すること)を意識することです。今生きている目的や最終的な人生の大きな目標を考えることが大切です。コヴィー博士も言っているように、「7つの習慣」の「目的を持って始める」という第二の習慣が一番大事です。「第一の習慣」(主体性を発揮する)を実践するにしても、目的を持っていないと、私たちのさまざまな選択肢の中で、自分で何を選択するのか、本当にその選択が自分にとって正しいのかは分からない。そして第三の習慣で重要事項を決めるにしても、なぜそれが重要なのか分からない。私たちの行動のベースとなるのはミッションなのです。ミッションを普段の自分の中に刻み込むことが必要となってきます。

しかし、簡単に自分に刻み込むことはできません。そこでプランナーが生きてくるわけです。プランナーを使って毎週、自分の役割を考え、その役割の中で、何が今週重要なのかを考えると、実はそこにミッションが無意識の中にあるわけです。役割を考えていくことは、どこかでミッションのことを考えていると思います。

また、毎日考えていくプランナーという道具がないと、ミッションが自分の中に落ちてこないし、毎日の行動に落ちてきません。だからプランナーを使ってほしいのです。

本当の自由は規律の中にある

日々の行動の中に手立てが必要になります。「4Dx」という研修(組織の重要な戦略を実行するためのプロセスを学ぶ研修)では、「規律」と言っていますが、自分の習慣の中に「規律」をつくっていくわけです。そしてこの規律を無意識のうちに実行できるようになったとき、そこに真の自由があります。

だから、7つの習慣を勉強したあとは、まずプランナーを使ってみてくださいと申し上げているのです。自分の役割を考え、毎日実行してみてください。規律をつくるツールとしては最高です。本当の意味で、自分の人生における自由を手に入れるには、自分の人生を自分でコントロールしていくための規律が必要なのです。

ビジネスにおいても、1週間の重要な目標を立てることで、常に明確になり、仕事の自信につながり、やるべきことが明確になり、1週間が終わったときに反省することで、安定感があり不安も払拭されていきます。それは気力も充実します。

第Ⅱ領域を実行できるかできないかで、将来は大きく変わる

「時間管理のマトリックス」で言う、「緊急ではないが重要なこと」である「第Ⅱ領域活動」は、自分で計画し、実行しないと誰もやってくれません。自分で癖をつけるしかありません。こうした第Ⅱ領域活動へ自分を持っていくことで、この活動がレバレッジとなり将来に大きな違いが起きます。

第Ⅰ領域(緊急かつ重要な事柄)と第Ⅱ領域(緊急ではないが重要な事柄)のバランスとは、まさにライフワークバランスなのだと思います。

誰でも「豊かな人生を歩みたい」と言います。では「どんな人生が豊かな人生なのか」、「豊かな人生とはあなたにとって何か」と聞くと、「本当にやりたいことをやることだ」と言います。では何がやりたいのかをきちんと考え、自分の行動に落とし込まれているかというと、できていると自信を持って言える人は少ないのではないでしょうか。

そうしたことを考え、実現しようと思うと、やはり価値観やミッションを明確にすることになります。

タスクマネジメントも確かに気持ちいいのですが、心の豊かさは、第Ⅰ領域の活動だけをやっていたら難しいでしょう。やはり、自分の人生について、何が本当に豊かなのか、真剣に向き合う必要があります。自分にとって本当に豊かな人生とは何か、自分と向き合うことができた人とできなかった人では、将来大きな差になるのではないでしょうか。

プランナーとは、ミッションの実現に近づくための手帳です。自分が納得できる生き方を見つめる道具、これでいいのかを常に自分で考えることができる道具、それこそがフランクリン・プランナーではないでしょうか。

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