プロフェッショナル活用事例 黒川二郎

黒川二郎1977年に語学研修センターを設立し、大手企業の国際人養成に多大なる貢献をする。1992年からフランクリン・クエスト社の日本支社長に就任し、経営手腕を発揮。現プライオリティ・セミナーの前身である時間管理のセミナー講師としても活躍する。
1997年から経営コンサルタントとして米国企業の日本進出を支援、企業のグローバル化においても多くの実績をあげている。現在はフランクリン・コヴィー・ジャパンにおいて、国際感覚豊かな人間味溢れる講師として高い評価を得ている。

「書くことで心にプレッシャーを与えれば、計画は実現できます。思いついたことを最初は鉛筆で書き出し、かなり実現可能だと思い出したらボールペンで書き足します。これを繰り返すことで、やりかたが見えてきて、無理だと思えた計画も実現することができます。」

書くことで実現する

タイム・マネジメントのポイントは自己管理、つまりセルフ・マネジメントにあります。よく時間管理と言いますが、時間は管理できません。例えば、24時間を25時間あるいは23時間にすることはできません。つまり、タイム・マネジメントとは自分自身を管理していくことなのです。

そのためには書くことが大切です。書けば心にプレッシャーを与えるからです。例えば、私は沖縄に移住しようと思い、プランナーの目標欄に「2006年12月末迄に沖縄に移住する」と書きました。そして、ステップを全部書き出し、今やれることは何かを書き出してみました。その中の一つ一つをつぶしていくと、「これは結構できるぞ!」という気持ちが段々と湧いてきたのです。

私は、それまで50年以上引っ越したことがありませんでした。しかも遠く離れた沖縄に移住するには、相当の決心をし、勇気を出さなければなりませんでした。とにかく細かくステップを書いてみて、ハードルの低いところから始めてみました。その結果、少しずつ計画は進み、1年間、沖縄のアパートに妻と一緒に住んでみることになりました。住んでみれば、沖縄は大変住みやすいし、周りの人達も素晴らしい人たちでした。

そしてついに、家を買って住み始めたんです。もう今年で移住7年目になります。

これは仕事でも同じです。月間カレンダーに何かをやると書けば、「絶対に実現できる」という感覚になります。例えば、年間の売り上げ計画を立て、プランナーに記入すれば、結構達成できるものです。最初はとても無理だろうと思えますが、目標に価値観とゴールを決めれば(ゴールセッティング)、それなりに実現できます。

私はこれまで、40年以上ビジネスを行い、自分の家族と社員を養ってきました。それは、常に価値観を考え、ゴールセッティングを行なってきたからだと思っています。ゴールセッティングは非常に役立ちました。これは今でも自分の土台になっています。

ゴールセッティングのコツ

最初はとにかく自分が思っていることを書き出します。なんでもいいので、思いついたことを最初は鉛筆で書き出し、かなり実現可能だと思い出したらその上にボールペンで書き足すわけです。
このとき、自分の価値観に即したゴールセッティングを書くことが大切です。ステップは後からでもいいでしょう。気づいたときに、やりたいこと、必要だと思ったことを中間ステップとして書き出していけばいいのではないでしょうか。

私はたいてい、お正月休みのときに、今年は何をしようかと考え、期日とともに、ゴールセッティングを鉛筆で書きます。その後、1カ月位経ってから、これはやりたいと、心に高まるものがあれば、それをボールペンで書き足すわけです。一方、1カ月経つと、とても無理だとか、やっても仕方がないということも出てきますので、それらは消して新しくゴールセッティングを行います。これを繰り返すことで、クオリティが高く、また達成する可能性の高いゴールセッティングをすることができるようになります。

ゴールセッティングした後は、マンスリー・リフィルやデイリー・リフィルに具体的なタスクとして落とし込みます。ビジネスを行なっていれば、やることが沢山ありますから、タスク・リストを書かないと、忘れたり先送りしたりしてしまいます。ですから、タスクを書き出して、優先順位を付けることが必要です。

プランナーのユーザーさんは、30代〜40代ぐらいの方が多いと思いますが、その年代の方々は非常に忙しくて、タスクに追われているはずです。そういう人たちには、とにかく忙しい時ほどタスク・リストを書きなさいとお勧めします。書くことによって、心に刻み、いい意味でプレッシャーを与えるからです。

そうすると、少しの時間があれば、たとえば5分や10分の電車を待つ時間や誰かを待つ時間に、「あの人に電話してみよう」とか、「このところ調べてみよう」ということができるわけです。忙しくて時間がないのではなく、書き出すことによって、時間を有効に使えるようになります。まずは書き出して、そのあとに本当に重要なことは何かを考えたらいいわけです。

自分の価値観を決める

本当に重要なことを決めるのが価値観を明らかにすることです。自分が本当に大切にしておきたいという事柄を明確にすることは、時間管理においてとても大切です。しかし、価値観を難しく考えてしまうと、かしこまったような文章を書こうとしたり、抽象的になったりしますので、気軽に考えてください。

自分の趣味をやり遂げようとか、こんな生活をしてみたいとか、こういうことから考えていくといいでしょう。考えていく中で、自分が本当にしたいことが分かってきます。
そして、それは1回書いて終わりではありません。何度も書き直していく中で、自分が本当に求めているものが必ず見えてきます。

今の仕事が自分に向いているのか、あるいは将来ずっと続けていく仕事なのかは、本当のところよく分からないかもしれません。しかし、その中でも、集中できる時、時間を忘れて没頭している時がきっとあると思います。ホントに楽しくて、「こんなにいい仕事ってないな」と思えることを是非大事にしていただきたいと思います。それがその人の本当の価値観であり、その人が求めているもののはずだからです。 

安心領域を出る

プレッシャーも少なく居心地のいいところを「安心領域」と言いますが、その領域に安住していては進歩がありません。ゴールを目指すということは、これまでと違う結果を得ようとすることですから、安心領域から出ることが必要です。安心領域で毎日同じことばっかりしていれば、確かに楽ですが、時間はどんどん過ぎていきます。

ただし、安心領域を出ることはチャレンジです。安心領域を出ることは、壁を乗り越えることでもあります。ですから、安心領域を出るには決意と勇気が必要になります。周りの人から「お前そんなことやってもできる訳ない」とか「あんなに失敗して」など、さんざん言われることもあるでしょう。結局、それを乗り越えるのは自分自身の問題になります。

そんなことやって本当に自分のものになるのか、その仕事が本当に自分のものになるのかという迷いを払拭するのは、自分自身に対する自信です。そこで役に立つのがフランクリン・プランナーです。目標を書き、自分にタスクを課することで、自分にプレッシャーを与えていけば、壁は必ず克服できると思います。

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