【コラム】
第2回 「刃を研ぐ」ことから「7つの習慣」を実践する

「7つの習慣」の良さはわかっていても、目の前のタスクに追われてしまい、実践することが難しいのも事実です。そんなあなたにお勧めしたいのが、第7の習慣「刃を研ぐ」ことを毎日実行することです。なぜなら、「刃を研ぐ」ことが「7つの習慣」を実践することだからです。

●「7つの習慣」の実践を阻む壁

なぜ「7つの習慣」を実践することが難しいのか、それには2つ問題があります。1つは、「影響の輪」の中にあることを実行できない、つまり意志の弱さです。次に、やるべき事柄に影響されて、自分をコントロールできないという点です。つまり、自分との約束を守れないことが、「7つの習慣」の実践の壁になっているのです。

「7つの習慣」を実践するには、自分との約束を守るために、まず自分自身に誠実である必要があります。そして自分の「影響の輪」の中にあり、「時間管理のマトリックス」の第II領域に入る第7の習慣「刃を研ぐ」ことから始めるのです。「刃を研ぐ」の中の「肉体、知性、精神、社会・情緒」の中で、「肉体、知性、精神」は自分の「影響の輪」の中にあり、また「私的成功」に含まれます。

ですから、毎日「肉体、知性、精神」を磨くことが「私的成功」になります。毎日自分との約束を守り続ける刃を研ぐ活動(第II領域)は、「7つの習慣」を実践する活動なのです。自分との約束を守り続けることによって、自分の中の誠実さという人格を身につけることができます。

●人間の4つの側面の刃を研ぐ


ノコギリを使い続けていると切れ味が悪くなる。そこで「刃を研ぐ」ことによって切れ味を取り戻すことができる

「刃を研ぐ」イメージはノコギリや包丁を考えるとわかりやすいでしょう。技術・家庭科の授業でノコギリや包丁を使った思い出はありませんか。いずれも、使い続けると切れなくなってきます。そんなとき、ノコギリや包丁の刃を研ぐと、往年の切れ味を取り戻します。

『7つの習慣』では「刃を研ぐ」ことを再新再生と言います。つまり、メンテナンスすることで、今まで以上の切れ味の良さを手にいれることです。再新再生はノコギリや包丁だけでなく、あなた自身の能力を維持し高めていくためでもあります。

第7の習慣「刃を研ぐ」はあなたを再新再生することで、常にあなたの能力を向上させるための習慣です。そして、毎日「刃を研ぐ」ことが「7つの習慣」を実践することなのです。

人間の4つの側面で刃を研ぐ
  • 肉体(運動、栄養、ストレス管理)
  • 知性(読書、視覚化、計画立案、書く)
  • 精神(価値観の明確化と遵守の決意、勤勉、瞑想)
  • 社会・情緒(奉仕、感情移入、シナジー、内面の安定)

バランスのとれた健全な生活を送るためには、将来展望(精神)、自律性(知性)、人とのつながり(社会・情緒)、健康(肉体)の4つが必要となります。刃を研ぐということは、これら4つの側面のすべてを伸ばすことを意味します。

そのためには、私たちは主体性を発揮しなければなりません。

しかし、第II領域に属する刃を研ぐ活動(成果を出す能力)は、自分から働きかけなくてはなりません。歯を磨く習慣と同じように、やらないでいると気持ちが悪くなるようにすることが必要なのです。ほかの誰かに代わりにやってもらうことはできません。

●肉体的側面の刃を研ぐ

自分の身体に気を配り、大切にすることです。身体によいものを食べ、十分な休養をとってリラックスし、定期的に運動することで身体の再新再生を図ることができます。運動は緊急の用事ではないから、続けようと思っても、そう簡単にはいきません。しかし運動を怠っていると、そのうち体調を崩したり病気になりかねません。

多くの人は、「運動する時間なんかない」と思っていますが、本当は「運動せずにいてもよい時間などない」と思うべきです。運動しないで身体がなまっていくのを放っておく時間こそがもったいないのです。一日おきに30分くらい身体を動かせばいいのです。

●知性的側面の刃を研ぐ

ほとんどの人は学校教育で知性を伸ばし、勉学する姿勢を身につけます。しかし学校を卒業すると、多くの人は知性を磨く努力をやめてしまいます。自分の専門外の分野の知識を広げようとせず、分析的に考えることもしなくなります。その代わりにテレビを見ているだけで満足していないでしょうか。

それでは、日進月歩の世の中にあって、ビジネスはもちろんですが社会生活を送る上でもハンデを負ってしまいます。日頃から知識を吸収して知性を広げよと思ったら、すぐれた文学を読む習慣を身につけることにまさる方法はありません。文学以外でも読書を習慣化すれば、知性を磨くことはできます。

例えば、ぜひ1ヵ月に1冊のペースで読書を始めてください。

●精神的側面の刃を研ぐ

精神はあなたの核であり、中心であり、価値観を守り抜こうとする意志です。きわめて個人的な部分であり、生きていくうえで非常に大切なものです。

精神的側面の刃を研ぐには、あなたを鼓舞し高揚させてくれる源が必要となります。それは人によって千差万別です。

例えば、偉大な文学や音楽に没入して精神の再新再生を感じる人もいるでしょうし、雄大な自然との対話から再新再生を見出す人もいるでしょう。都会の喧騒から逃れて、自然の調和とリズムに身を任せると、生まれ変わったような気持ちになります。

●社会・情緒的側面の刃を研ぐ

社会的側面と情緒的側面は結びついています。私たちの情緒はおもに人との関係によって育まれ、表に出てくるからです。普段の生活で人と接するなかで十分に刃を研ぐことができます。

例えば、あなたが私の人生で重要な位置を占める人物だとしましょう。上司、部下、友人、隣人、配偶者、子ども、親類など、どうしても接しなければならない人物、無視することのできない人物です。そうした人たちとの交流を通じて良い面を吸収することで、社会的・情緒的側面の刃を研ぐことができます。

●「一週間コンパス」の活用がキーポイント

フランクリン・プランナーでは「一週間コンパス」というフォームで「刃を研ぐ」ことを容易に習慣化できる

フランクリン・プランナーには「刃を研ぐ」ことを習慣化できるよう「一週間コンパス」というフォームが付属しています。このフォームの「役割と目標」の最上段に「刃を研ぐ」役割欄を設けています。肉体、知性、精神、社会・情緒という4つの側面全てをバランスよく伸ばしていくために、今週何をするか計画する欄です。

それぞれの覧に、「刃を研ぐ」ための行動を記入し実践すればいいのです。

まずは「刃を研ぐ」ことによって自分の誠実さを高めることができ、他人に対してより影響を及ぼすことが可能になります。「7つの習慣」を実践することが難しいと感じたら、まず「刃を研ぐ」からスタートするのが現実的なアプローチです。

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