第16回:
すべてのことを一元で管理する

今や多くの人がスマホやタブレット、PCなど、いろいろな端末を駆使しながらビジネスをされています。

最近ではアプリ自体がネットワークにつながり、一昔前のように、端末ごとに情報がバラバラということも少なくなってきました。

さらに会社では、グループウェアやイントラネット、クラウドサービスなどから、次々とミーティングの依頼や業務連絡がやって来て、携帯端末とも情報が同期されます。

本当に便利になっているのですが、実はこの状況、時間管理の世代として捉えると、少し心配な点があります。以前紹介した、第一世代からフランクリン・プランナーの第四世代までの時間管理の進化の中においては、このIT端末を使った、まったく漏れのないやるべきことリストにスケジュールと優先順位が付加していく方法は、実は、第三世代そのものです。

あるいは、このネットワークの中で、プロジェクト管理や目標管理まで行うことは難しいでしょうから、そういう意味では第三世代と第二世代の間ぐらいかもしれません。

そうなると、この世代の時間管理では、プライベートや家族なども含めた人生全体を考え、自分の重要事項に焦点をあてた第四世代の時間管理とは程遠いものになってしまい、必然的に私達の生活は時間に追いまくられるようになります。そして、ストレス過多や疲労困憊の状態になりかねません。

私達のビジネスや生活は、そうした日々の切り刻まれたタスクでできているわけではありません。プライベートの活動も含めて総括的にできています。

コヴィー博士が語るように、人は、経済的にも感情的にも知的にも、精神的にも深いニーズを持っており、大切なことは、それらのニーズに対し、バランスよく応え対応していかなればならないということです。

つまり、自分自身を的確にマネジメントしようとするならば、ビジネス、家庭、友人関係、地域関係など、すべてを一元化してマネジメントする必要があります。

新しいツールや技術は、私達にとてつもない利便性を与えてくれますが、あまりにも効率や能率を追求するあまりに、見えなくなってしまうこともあります。

できる限り、自分自身に関するすべてのことを計画し管理するようにしてください。人生すべてにおける場面での役割を考え、その役割のバランスをとるようにしてください。そうすれば、ビジネスだけに偏った人生ではなくなるはずです。フランクリン・プランナーは、人生全体を計画し、管理するためにつくられたツールなのです。