個人から始める「働き方改革」実践術

3 「時間泥棒」に対処する。本当の犯人は自分?

人に時間を奪われる悔しさはいつも感じるものです。しかし一番の犯人は実は自分だったりすることがあります。今回は、自分で計画を立てていたにもかかわらず、結果的に時間を奪われてしまう、時間泥棒について考えてみましょう。

時間泥棒には2種類

まず、どのような時間泥棒があるのかを見てみましょう。いくつか例をあげてみます。

  • PCやコピー機などハード機器の故障
  • 他人のミスなどによるアクシデント、トラブル
  • 締切日の変更
  • クライアントや上司からの突然の指示
  • 返事待ち
  • 不明確な役割分担
  • 不必要な会議
  • 権限不足
  • 整理不足による探し物
  • 自分のミスなどによるアクシデント、トラブル
  • 想定ミス、計画不足
  • 仕事の受け過ぎ
  • 委任不足
  • 無駄話
  • 疲労
  • 後回し、放置

こうしたことによってせっかく立てた計画が崩れ、時間を取られてしまったという感覚を持つことはよくあることです。

そもそも時間泥棒とは、時間を盗まれるというよりも、「行動・思考」を想定していた以外のことに使ってしまうということですが、先ほど挙げた時間泥棒のリストをもう一度見てください。
前半にあるものは、他者からや周囲からの影響によるもので、後半にあるものは、原因が自分自身にあるものです。

他人の行動や周囲のことをコントロールすることはできませんので、これらに関しては、「起こりうるもの」として想定しておくことが必要で、起きた場合は何らかの対応をしなければなりません。
後半のリストは、自分自身の問題によるもので、これらは起こらないように、準備することができます。

時間泥棒を解決する

こうした時間泥棒にはどのように対応すればいいでしょうか。

まず、他者、自分に関係なく、「時間泥棒」は必ず起こるということを想定しておくことが大切です。そして仕事内容や仕事のスタイルによって「時間泥棒」が起こりやすい人、起きにくい人がいますので、自分の状況を知っておくことが必要です。
そのためには、できれば30分刻みで、自分の計画と実際の行動結果を記録してみましょう。そして、どれくらい計画と異なる活動やタスクが起こりやすいのかを認識してください。
そうすることで、計画時に、ある程度の「時間泥棒」の想定をしておくことができます。

次に、時間泥棒の傾向を分析してみます。
他者・周囲からの影響に関しては、「関係部署とのミスが多い」「役割の分担が明確ではないためミスが起こる」ことが多いのであれが、事前のミーティング、情報共有の不足といったことが考えられますし、自分自身の問題に関して「整理不足による探し物の時間が多い」「仕事の受けすぎ、委任不足のためにオーバーワークになっている」ことが多いのであれば、ファイリングをやり直し、仕事の量とスケジューリングの調整を上司と一緒にやる、などの対策が必要となります。
まずは自分が現在どのような状況になっているのか、計画と実際の違いはどうなっているのかを知ることはとても重要なことです。

また、根本的な解決のためには、自分のスキルアップを含めた、仕事のやり方、プロセスを改善する必要があります。「時間泥棒」と言っても、すべての人は仕事の成果を上げるために行っていることです。
仕事での自分自身の役割として、最大限効果を出すために、仕事をどう組み立て、どのような役割分担をすればいいのか、お互いが時間泥棒にならないように、上司やメンバーに提案し、最大限成果を出すための効果的な「業務改善」を少しずつ行っていきましょう。

時間は誰にでも平等に与えられている箱です。何を入れるか、考え、行動するのは自分自身しかいないのです。