第8回:
アナログとデジタルを連携する(2)

アナログとデジタルを連携する第二弾として、ご紹介するのは、「重要事項にフォーカスする」です。

デジタル機器の充実にともなって、私たちのビジネスや生活は、10年前とは比較にならないぐらいに、簡単に情報を収集し、手に入れることができるようになりました。

しかし一方で、それは同時に、私たちにとって手に余るほどの情報となり、いわゆる「情報過多」の時代と呼ばれることにもつながっています。

多くのビジネスパーソンが、「情報が多過ぎて処理能力を超えている」感じているようで、次のような声をよく耳にします。

「インターネットで検索しても、ヒットする情報が多すぎてどれが本当だかわからない」

「1日にくるメールが多すぎてすべてに対応することなど不可能だ」

「読みたい本はたくさんあるのに、次から次へと新刊が出てくる」

「新サービス、新商品の案内が1日に何10通も送られてくる。正直何が違うのかわからない」

「上司から次々と新しい企画を求められる。消費者はすでに飽きているのに」

みなさまもひとつやふたつ思い当たられることがあるのではないでしょうか。

フランクリン・コヴィーが行なっている、「4Dx 実行のための4つの規律」というプログラムの中で、私たちがどうしても達成したい目標がいくつあるときに、その目標が達成されやすいかという調査結果があります。

その調査結果によると、目標数は3つ以下のときがもっとも達成されやすく、目標が11以上あると、達成される目標は0になってしまうそうです。

つまり、あまりに多過ぎる情報によって、「あれもやりたい」「これもやりたい」となってしまうと、結局は何も達成されないという状況を生み出してしまうということです。

デジタル機器によって、たくさん集められた情報の中から、何に絞って行動するか、このポイントを考えるときに有効なのが、アナログの手帳ではないでしょうか。

日常の仕事の中で、気がついたものをクリッピングしEVERNOTEに貼り付けたり、自分のGmailに送ったり、クラウドのファイルサーバーにデータを送信したりして、さまざまな情報を収集したあとに、就寝前の時間や通勤時、早朝のデスクなどで、デジタルで集めた情報の中から、「自分自身で本当に重要だと思うこと、本当にフォーカスしなければならない」タスクや活動を、フランクリン・プランナーのタスクリストに「A1」のタスクとして記入することをおすすめします。

私たちビジネスパーソンにとって、この「何が重要か」を決める作業こそが、今後の生産性や成果の大きさにもっとも大きく影響するのではないでしょうか。

この機能こそが、アナログであるフランクリン・プランナーのもっとも大きな強みのひとつと言ってもいいかもしれません。

そして記入したタスクの横に、詳細な情報がある場所(ファイル名やファイルのあるフォルダーなど)を記入し、「情報を探す」時間を減らすようにしましょう。

ビジネスパーソンの1日のうち、2~3時間を「何かを探す」時間にあてているという人もいるぐらいに、現在のビジネスパーソンは情報洪水の中にいるようです。