第18回:
「取引」から「協力」の時間管理へ(2)

時間管理においても、現代のビジネス社会では、「協力」して、お互いが満足する結果を生み出すことが求められています。

私たちは、これを「Win‐Winタイム・マネジメント」と呼んでいますが、それは、調査結果からも明らかになっています。

都市圏に住むビジネス・パーソンを対象に行った結果の中で、「私の職場は、上司や同僚のおかげで非常に生産性が高い」と、社内での協力体制をポジティブにとらえている人が、時間管理をどのように考え、行っているのかを見てみましょう。

全体から比較しても、「自分で時間管理がしっかりできていると思う。すべて計画通りにできている」「朝の時間をうまく活用しているので、仕事は余裕を持って取り組めている」と答える人が非常に多くなっています。

また、「時間管理が得意」と答える人も、全体のビジネス・パーソンと比較しても、非常に多くなっています。

逆に、「どうしてもズルズルと時間を過ごしてしまう」「時間管理など行うつもりもない」という人は非常に少数です。

時間管理をきっちりこなすというと、一人で合理的、効率的にバリバリこなすというイメージがありますが、この結果からも、ビジネスにおいて時間管理をしっかり行い、高い生産性を発揮するには、周囲との協力が必要だということがわかります。

リンダ・クラットン教授は、「パフォーマンスの高いチームには、三つの共通点があります。第一にチームのメンバーの間に協力する文化があり、アイデアを共有する用意があったこと。第二に多様な人間でチームが構成されていたこと。(中略)第三に、メンバー共通の目的感が備わっていたこと」と語っています(『ハーバード・ビジネス・レビュー』2013年5月号)。

つまり、パフォーマンスの高いチームにしたいなら、メンバーが共通の目的を持ち、お互いに活発なコミュニケーションを行うように行動するということです。日々の時間管理の中に、周囲との協力を意識した計画を取り入れることが必要です。

具体的な方法について、次回から紹介しましょう。