第20回:
あらゆる仕事において、目的(コントリビューション)を定義する

ミーティング

貢献というと、人生での何か大きなことを想定してしまそうですが、効果的なタイム・マネジメントのためには、日々のあらゆる場面で私たちの貢献内容(=目的)を明らかにする必要があります。
たとえばビジネスにおいて、マネージャーやリーダーの役職を持つ人であれば、必ずと言っていいほど行わなければならないのがミーティングです。ビジネスにおけるコミュニケーションの中でも、特に重要な位置づけにあると言ってもいいでしょう。

ミーティングには、複数の人が出席します。自分ひとりで仕事をするときは、仕事のアウトプットに対して、使うリソースは自分だけですから、コストは自分自身だけになります。
しかし、複数の人たちと仕事をすることになるミーティングの場合、コストは自分一人だけではありません。
自分の段取りの悪さや間違った意思決定などによって、ミーティングに参加するメンバーのコストも無駄にしてしまうわけです。そうなると、生産性の観点からその仕事(ミーティング)を見た場合、大きな損失となってしまいます。

Win-Winを実現するタイム・マネジメントを実践するミーティングとは、このような無駄を省くばかりではなく、それぞれがひとりで仕事を成し遂げた場合の合算したアウトプットよりも、より大きなアウトプットに役立つミーティングのことです。

会社の中でミーティングと言っても、その種類、時間、参加メンバーなど、さまざまです。
また、部署を横断したプロジェクト、大手顧客への大規模なプレゼンテーションの準備や報告、来期の事業計画などの役員へのプレゼンテーションなど、ビジネスの重要度が高まるほど、会議の重要性も高くなります。

しかし、現実には会議本来の役割を果たさない「無意味な会議」が蔓延しています。貴重な人材や時間が無駄に費やされるだけでなく、お互いのエゴや無関心によって信頼関係を損ない、マイナスの結果を招くケースすら少なくありません。
たとえば、こんな具合です。

週末の出来事など、とりとめのない雑談を交わしながら全員が部屋に入ってくる。会議はなかなかエンジンがかからず、皆が勝手なことを言い合っている。誰かが突然、厄介な問題を持ち出した。すると、それまでの空気は一転し、非難の応酬や責任のなすり合いが始まる。皆が怒って出て行った後、あなたはひどく後味の悪い思いをする。スケジュールをチェックしてみたら、今週はそんな類の会議が10もあることに気づいた。

こんな事態を招かないためにも、ミーティングを行う際には、実施する目的(ミーティングを行うことによって成し遂げる貢献、Win-Winの解決策となる方策の決定など)を明らかにする必要があります。
主な内容として、

  • ミーティングのタイトル
  • ミーティングの目的
  • 場所
  • 出席者
  • 議題
  • 決議事項
  • 前提となるニーズ
  • 成功基準
  • 準備事項
  • 委任事項
  • 障害となる懸案事項

などをあらかじめ定義することができれば、プロジェクト会議をはじめ、顧客との打ち合わせ、ブレーンストーミングなど、あらゆるミーティングを効率的に進めることができるはずです。

そして何より大切なことは、ミーティングを主催するあなたが、このミーティングによって、Win-Winとなる解決策を探すという決意をもって取り組むことです。