第22回:
目標と日々の計画をリンクさせる

日々タイム・マネジメントを行う大きな理由のひとつに、「目標を達成する」ことが上げられます。

「毎月の売り上げ計画を達成する」

「新商品のアイデアを10個出す」

「在庫を10%減らす」

「提案書を5つ仕上げる」

ほとんどのビジネス・パーソンは、こういった様々な目標を抱えながら日々奮闘していますが、毎月の大切な目標が、実際の日々のタスクときちんと結びついている人は、あまり多くないようです。

通常こうした目標は組織や上司から与えられるものですが、目標を達成するということは、自分の評価やキャリアにもつながるとても大切なことです。比較的時間があるときは、「第Ⅱ領域」のことですが、時間が迫ってくると、「第Ⅰ領域」の事柄になります。

ということは、「目標」が第Ⅱ領域にいる間は、周囲からのプッシュやプレッシャーも少なく、自分でも意識することが少なく、第Ⅰ領域に入ってしまうと意識せざるを得ないことになります。

日々のタスクをこなしながら、大切な目標の達成にもつなげていくには、目標達成のステップ(マイルストーン)に毎日のタスクが結びついている必要があります。

さまざまなルーティンワークや飛び込み仕事など、第Ⅰ領域や第Ⅲ領域の仕事は、黙っていても舞い込んできますので、目標達成のためのタスクをしっかりと計画しなければ、そうした仕事に吹き飛ばされてしまいます。

目標達成のマイルストーンに毎日のタスクを結びつけるカギとなるのは、実行可能なタスクへのブレイクダウンです。

これは、Work Breakdown Structure(WBS)と呼ばれる、「仕事の目標を達成するために必要な作業」を「漏れなくダブりなく分解して、構造化」するものです。

たとえばあなたが、「新規開拓10社」という目標なら、それに必要作業として、「アプローチ先のリストアップ」「アポイントメント」「提案書の作成」「ソリューション別のアプローチ」「紹介先をもらう」「社外交流会への参加」など、必要と思われる項目に分解します。

そして、それぞれが日々の行動に結びつくような細かいタスクになるまで分解します。

「社外交流会への参加」なら、イベントのリストアップ、登録、○○さんからの紹介、などの項目に分解します。さらに、それが毎日のタスクになるまで分解し、デイリータスクに記入します。

フランクリン・プランナーに付属している目標設定用紙には、目標に対し、ステップ(マイルストーン)を記入する欄がありますが、タスクレベルに落とし込むのは難しいので、ここにあるステップをさらにWBSの手法を使ってこまかく分解しましょう。

そして、タスクに分かいできたら、デイリータスク欄に記入し、最優先のタスクとして計画してください。