第15回:第 II 領域活動を具体的に計画する。―第 I 領域や第 III 領域の活動を第 II 領域の活動に変える

週や一日の初めに「第 II 領域」(緊急ではないが重要な)活動を計画しても、皮肉なことに「第 II 領域」活動をつぶすのは、第 I 領域(緊急かつ重要)や第 III 領域(緊急だが重要ではない)の活動です。

そして、その第 I 領域や第 III 領域の出来事は、自分で突然気づくこともまれにはありますが、大半は私たちの大切な人間関係の中で起こります。つまり、誰かからの指摘や指示、命令といった形で飛んできます。

せっかく第 II 領域の活動を計画しても、他人からの緊急事項が起こり、人間関係を保ちたいがゆえに、自分の重要事項の活動をやめてしまうというわけです。

この第 II 領域の計画~他人からの緊急事項~第 II 領域の活動の中止、というループが何度か繰り返されると、次第に第 II 領域活動の計画すら立てなくなってしまい、いつものように緊急事項に振り回される毎日に戻ってしまうのです。

このループを断ち切るためにはどうすればいいのでしょうか。

スケジュールを立てるという作業自体は、とかく受け身になりがちです。最近ではグループウェアなどの普及によって上司や部下・同僚からスケジュールを入れられてしまうことが多くなっています。また、顧客や関係会社などからはメールや電話で次々とアポイントの依頼が飛び込んできます。

こうした状況の中で、第 II 領域プランニングを行うためには、第 I 領域や第 III 領域の活動やタスクをうまく活用することが必要になります。

つまり、第 I 領域や第 III 領域の活動を第 II 領域の活動に変えることができれば、必然的に第 II 領域の活動を行うことになります。

ある部長職にある人のスケジュールが、朝デスクに到着すると次のような状況だったとしましょう。

  • 部下から先週の納品物で顧客からクレーム、まず同行してほしいとメールが入っている。
  • 11時からはいつも通りの部長会議が予定されていて、文書がすでに配布されている
  • 18時からは、取締役の代行で、ほとんど興味のない学会への出席が予定されている
  • タスクリストには、ずっと先送りになっている、重要顧客との食事の設定、部下の業務評価、とあります。

この部長にとっては、予定されていたことは大半が第 I 領域か第 III 領域でした。そこに、顧客のクレームというスーパー第 I 領域が飛び込んでいます。こうした状況ではいくら第 II 領域の活動を、と言ったところで難しいでしょう。

これら第 I 領域や第 III 領域の活動を第 II 領域の活動に変えることはできないでしょうか。

たとえば、「クレーム対応」に対して、関係回復のチャンスと捉え、以前から考えていたプランを仕上げて提案する。あるいは、部長会議の中で、「ルーティン化された会議自体を戦略策定ミーティングに変える」提案をする。学会への出席は、キーマンを探し出し新たな人脈づくりの会と位置づけて積極的に人脈をつくる。重要顧客との食事では、担当者の興味ある分野の勉強会を紹介し関係を強化する、など、その場しのぎの対応ではなく、今日の予定を長期的な視点で捉え、タスクに取り組めば、緊急事項ではなく重要事項として活動することができるでしょう。

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