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2017年は、マスター・フォーム・パックで
自分をマネジメントする!(2)
時間管理のマトリックスを使いこなす
「2017年は、マスター・フォーム・パックで自分をマネジメントする!(1)

フランクリン・プランナーのタイム・マネジメント・コンテンツ、つまり「フランクリン・プランニング・システム」をよりわかりやすく、より実践していただくために、全面的に改良した、新しいタイム・マネジメント実践ツール「マスター・フォーム・パック」の活用法、第二弾をご紹介します。

今回の「マスター・フォーム・パック」活用法は、フランクリン・プランナーのタイム・マネジメント・コンテンツの主要な考え方のひとつである、「時間管理のマトリックス」についてお伝えします。

時間管理のマトリックスとは?

古くはアメリカの元大統領、アイゼンハワー氏が唱えた「意思決定マトリクス」としても有名ですが、スティーブン・R・コヴィー博士が、『7 つの習慣』の中で紹介し、一躍有名になりました。
「時間管理のマトリックス」とは、すべての活動を「緊急度」と「重要度」という軸に分けて考えるというもので、私たちが行動計画を立てる際に、非常に有効なツールです。
緊急と重要と言われても、あまりピンとこないかもしれません。それは誰でも、自分は緊急なこと、重要なことを行っていると思っているからです。では、なぜコヴィー博士は、この時間管理のマトリックスについて、深く言及したのでしょうか。

この「緊急なこと」と「重要なこと」、この二つのうち、自分自身の将来のため、本当の生産性を上げるために必要なのは、どちらでしょうか?
もちろん「重要なこと」です。決して緊急なことではありません。誰もがそう思うはずです。では、自分自身のこの1週間の活動を振り返ってみましょう。できれば書き出してください。

実際に行ったタスクを振り返ってみってください。その仕事や用事(タスク)は、ほとんどが、時間が迫って行ったことではありませんか? 締め切りぎりぎりの仕事や時間が指定されているミーティングやアポイント、上司から「いつまで」と言われた仕事など、時間(緊急性)によって行った活動ではありませんか?

もちろん、その中には、非常に重要なタスクも含まれていたでしょう。プロジェクトの企画のプレゼンや大きな仕事の締め切りなど、インパクトがあり、どうしても失敗することのできない仕事もたくさんあったはずです。
ここで問題なのは、緊急性ではなく、重要度の観点から行った仕事、タスクがどれだけあったかということです。
要するに、重要度だけで判断して行った仕事やタスクということです。その中には緊急のものや緊急ではないものもあります。

今週の自分、今日の自分にとって重要なこととはどのようなことでしょうか?
今月や来月の売上のこと、来期の戦略のこと、将来のキャリアに役立つこと、これからの仕事に欠かせないこと、大切な人との人間関係に役立つこと、家族のためになること、知識や教養になること、健康増進になること、精神的に良いこと、などがあげられるでしょうか。
ほかにもたくさんあると思いますが、要は自分で重要だと判断し、決めた行動計画のことです。皆さんの行った活動に、こうした「重要度の観点から意思決定した活動」がどれだけ含まれているでしょうか?

「時間管理のマトリックス」の4つの領域

次に、私たちの活動を以下のように、緊急軸と重要軸に分け、4つの領域に分類してみます。すると、次の図のようになります。

まず、第Ⅰ領域は「緊急で重要」な領域です。例に書かれた項目を見ると、いかにもすぐにやらなければならないものばかりです。この領域の行動は通常「火消し」もしくは「危機」と呼ばれるものです。多忙なビジネス・パーソンの多くはここで過ごしています。

その下の第Ⅲ領域は、「緊急だが重要ではない」領域です。第Ⅲ領域に共通していえることは、他人からの指示や依頼事であるということです。他人の優先順位につき合っているということもできます。

第Ⅳ領域の「緊急でも重要でもない」は、過剰と浪費の領域、つまり暇つぶしか、のめり込み状態のことがらです。いい意味でののめり込みならいいのですが、暇つぶしで漫画を読み始めたら、2時間も読んでいた、などという経験は誰でもあるはずです。
気晴らし程度なら、健全なリフレッシュになりますが、やり過ぎてしまうと、逆に疲労やストレスを生む、まさに無駄な時間です。

第Ⅱ領域は「緊急ではないが重要なこと」の領域です。重要なのはここです。ここの領域の事柄をどれだけ行うことができるかが、あなたの時間管理のポイントです。
あえて言えば、時間管理をする目的は、この緊急ではないが重要なことを行うためだと言っても過言ではありません。
それは、誰もこの領域のことを「早くしろ」と言ってはくれないからです。自分で計画を立て、意思を持って行わない限り、実行されることはありません。だから、計画と管理が必要なのです。

ビジネス・パーソン、学生、主婦、経営者など、あなたがどんな立場の人であっても、1週間のうち、わずかな時間でもいいので、自分自身の第Ⅱ領域の活動に取り組むことができれば、その成果はやがて計り知れないものになるはずです。
朝5時に起きて、毎日100ページの書籍を読んだあるビジネス・パーソンは、3年後に、その分野のエキスパートになり、やがて会社の役員へと上り詰めました。
また、準備やリスク管理、計画という第Ⅱ領域に時間を割くことで、典型的な第Ⅰ領域の問題であるクレームやトラブルは確実に減少します。

人生を有意義に過ごそうと思うならば、重要度の低い第Ⅲ領域と第Ⅳ領域の出来事を避け、その代わり第Ⅱ領域に時間を割くことが必要です。
「マスター・フォーム・パック」には、時間管理のマトリックスの解説のほかに、次のようなフレームワークを用意していますので、毎週または毎月のプランニングや活動の棚卸はもちろん、2017年度の計画を立てる際にも、ぜひ役立ててください。